白い世界

東京、雪、降りました。机の前の窓の向こうに見えるこの電柱と電線が帆船みたいで好きですが、昨日は雪降る中を出航してました。風向きか、窓の中のこちらに雪が飛んでくるように見え、面白く、午前中慌てて隣町の画材屋に行き、帰りはノー傘でみぞれ混じりの雨にあったばかりで、部屋の中にいるのがホッとしてたせいもあり、すぐには外に出ずにいました。それにこの数日、こまかい仕事に翻弄されてて、始めたら身動きしづらく、中断できず、チラチラ窓を見上げながら、京都での音霊を反芻するよな雪景色の気配に、なんか、しあわせだなとかみしめながら、明るいうちにできるだけと作業に没頭してるうち、

あたりはすっかり暗くなっていました。ときどき、どさっどさっと屋根の雪が落ちる音。果たしてどのくらい積もったか、雪かきしたほがいいのかなと、暗くなってようやく表に出てみた。

けっこうな雪の世界。何かのジャケみたいに、いつもの道路が雰囲気ありありな世界に。軽く雪かきのあと、せっかくなので、作ってみた。目鼻はなんでしょう?初めての試み。

最初、雪だるまの目の石を探したけれど、雪だらけで見つからず。でも解けてもゴミにならない?ものでと、苦肉の策。しかし、すぐに

屋根雪がドサッと来て、鼻は飛んだもよう。

フィンランドで北極線を越えたとき、ひと通りの装備を用意したので、このくらいの雪なら濡れずに遊べる。…とさらに夜には降り続くなか、26歳♀とスキージャンプごっこをしたりして遊んだ。あー楽しかった!(^^)

 

ちりん

天井から低めに吊るしたコレが、頭がさわるたび、ちりんと音をたてる。コトリ工房ヤンバルクイナと吉祥寺美術館で絶賛開催中のチェコ在住絵本作家の出久根育さん展でゲットしたアクリルキーホルダー、真鍮のコトリ。アクリルが真鍮に当たり、黄色い鈴の音みたいな澄んだいい音がするたびに、浄化されるよな気持ちよさ。最近いろいろ片付けしたときに、置いとくより、吊るせばいいじゃん?ともともとあったヤンバルクイナに仲間が増えた。なんだか楽しそうなのもいい。

りんごを一箱いただき、りんご大好きな私はめっちゃうれしい。生のまま、厚めにスライスしたのを今日はサワークリーム塗ったカンパーニュにのせて、シナモンかけて食べた。りんごの爽やかな甘みが沁みるうれしいランチ。

ちょっと外に出たら、木の芽がぐんぐん大きくなっていた。気づいたら2月1日。だからというわけではないが、元旦以来に公園の中の富士浅間神社にお参りしたら、お供えのお酒が増えていた。よく見たら、格子は手が入るくらいの隙間だった。訪れる人はひとりじゃないんだ。さらに、この広場的公園の端に、小さな小山があることに気づく。わざと盛られたというより、残っちゃった的な無造作な小山。これはもしかすると、昔、社がここにあった跡では?かとひとり推測。尋ねるたびに発見があるのはうれしい。正解がわからないのもいい。丸バツ、当落ばかりの世の中で、こぼれてしまうよなとこに、楽しみを見つけたいな。

 

画材を買いにとなりまちへ。近道で横切ったデパートのロビーに虹ができていた。ガラス窓の向こうからおひさま直撃のせいだろけど、見渡してみても、どこで分光してるかわからず、びっくり。そこにはたくさんの人がいたが、だれも気にとめてないようで、またびっくり。

昨夏の庭園美術館でのフィンランドガラス展を思い出すような、うっとりする光だった。

その前の日、都内の小さなブックカフェで、夏にお手伝いしていた光の本の版元の方に偶然お会いしお話しした続きみたいだなと思った。

梅、咲き始めたね。さっむい朝の毎日だけど、地球はきちんとまわっている。春が待ちどおしいところだけど、春になったら個展が迫ってくる。。と思うと、焦ってくるので、冬であることをありがたく味わいつつ、もろもろあり、個展のための制作に集中できないもどかしさもつのらせながら、展示への想いをふくらませる日々。

個展は、2024.4.23(火)〜28(日)になります。楽しんでもらえるよう、がんばります!

 

ぬくもり

最近おうちでは冬はこれ。
某アウトドアショップで
セール品でゲットした
お山用の靴下。
ウールではないけど
厚めでしっかりしてて
気に入ってる。
色違いで赤を今年は購入。
これは一昨年?買ったのだったかな。
気づいたら、穴が開いていた。
隣町の某ショップに行けば
新しいのを買えそうだけど、
生地がしっかりしてるから
もったいなくて
ちくちくしてみた。
縫うというより
織物的な修理法。
初めてやってみて
ずいぶん下手くそだけど
ちょっとうれしい。
やらなきゃならないこと
もろもろ気になりつつ、
夜中に発作的に夢中で繕った。
いい時間だった
というおまけがついた。
便利じゃないものは
大体そうだ。

この青いグラスは
すっごく飲みごごちがいい。
小さめなのも
私の大きくない手に
ちょうどいい。
水飲みようだけど
まるで味が違うくらいに
美味しく飲めるから
水がごちそうになる。
沖縄の桜坂劇場の2階の
夜の誰もいない売り場で
ちょこねんといた。
この小さいタイプはひとつしかなかった。
小さいゆえか
お値段もお手頃だった。
桜坂劇場は夜遅くまで
映画を上映しているので
2階の物販もあいている。
が店員さんは1階にしかいない。
監視カメラがあるのかしら?
でも全く見当たらず。
結構高価な作品もたくさん
置かれている。
こういう自由に信頼されている場所は
東京では考えられないように思う。

このグラスのいいところは
そんな記憶にもつながっているからかもしれない。
ネットで手軽に購入できたのとは
まったく違う。
ずっと大事にしたいと思う。

ラジオで向田邦子さんのトークを
はしり聞きした。
あの大作家さんは手紙も書かない。
ついありていな言葉で
うめてしまいがちだからという。
今の時代では手紙は貴重なので
もし生きていらっしゃったら
また違う感覚かもと思うけど
いってみれは
SNS(インスタやFacebook)の言葉はそんな気もする。
というか
何か記すたび
不特定多数の人に読まれるという前提からか
卒がないようにという意識が
思っている以上に働く。
が故に
自分じゃないなあと思うことも
たびたびある。
そんなふうに書く人ばかりではないが
形にするとき
どこか言葉に納めるために
とりこぼしたり
ごまかされたりする気持ちが
本当は根雪のように
たくさんあるのではないかと
思う。
その点
どんな形であれ
作品は
言葉であれ絵であれ
依頼されたものであれ
体裁を整えたとしても
どこかしらに
根雪のかけらが混ざっていたりするように思う。

そう思うと
むやみやたらに
言葉にしない方が
言葉に対する感覚が
うるおってくるような気もしたりする。

ところで
私のまわりには
スマホというか
ケイタイを持たない人が
軽く数えて3人はいる。
そういう人と待ち合わせしたりするとき
けっこうドキドキなのだが
電車の遅延もたびたびあるし
そこに開演時間が決まっていることなどが
絡むと
ほんとに大丈夫か?と
思ってしまうけど
けっこう大丈夫なんだよね。

そう思うと
いらないメッセージや情報で
日々大事なものがまた
見えなくなってるかもしれないと
しみじみ思う。

インスタの投稿は
写真を撮るのが好きだから
嫌いではなかったけれど
思いがけないコメントで
うれしいこともある反面
そこしか見てくれてないのかと
思うことの方が
強くマイナスな印象に残ってしまう。
結局は人肌の触れ合いが
一番確かで
ありがたいのだと
あらためて考えている。

星占い的には
風の時代と言われている。
リアルな触れ合いより
ネットの世界が栄える、
それに乗っていきなさいと。
でも私は古い人なのか
でもきっとこの世から去るときに
思い出すのは
ネットでの盛り上がりではく
見えない触れ合いではなく
たとえうれしく感じたような
リアルにはありえないことではなく
人肌の思い出なんだろうなと思う。

だからというわけじゃないけど
ごく当たり前だけど
忘れ去られていることだからこそ
さわれるぬくもりある感触だけを頼りに
歩いていきたいと
しみじみ思う年始であった。

こけし

一ノ蔵さんへのご挨拶をかねて
雪降るこけしで有名なかの地へ
行ってきました。
この巨大こけしの方の首が
ゴロっと落ちてしまったという
ちょっと前のニュースを
ぼんやり覚えていましたが、
無事元気に佇んでおりました。
こけし、なんとなく興味はありましたが、
子どもの頃は普通にどこかにあったりしたもので、
あまりに普通すぎてこれまできたのですが、
あらためてその魅力に
惹きつけられています。
人型の人形は苦手ですが、
世界中で昔から
いろいろな想いを持って
作られてきたものなんだなと思うと、
素朴なものほど
いとおしくなります。

真冬の温泉地は
観光客もまばらでしたが、
ふと見覚えのあるネコちゃんが。

チャリティー展でご一緒している
大野隆司さんのイラスト。
足湯の看板になっていました。
大野さんとたまたま年末に
お話する機会があり、
そういえば鳴子でお仕事している話を
聞いたばかりでおおっと。

そしてですが、
こけしの町旅から帰ってすぐにまた
西の都へビューンと。
(その旅については後ほど)
そこでかねてから行きたかった
キッチュな本屋さんで
おおっと目に止まったのがこの本。

ロシアとマトリョーシカに惹かれたのですが、
というか実は鳴子で、
マトリョーシカも展示してあり、
そのときロシアのマトリョーシカは
意外と歴史は浅く、
箱根の入れ子式こけしにイントを得て
作られるようになったと聞いて
ほんと?となっていたら、
ここにきちんと書かれていました。
たぶん、ほんとらしいです。
日本のこけしについてもふれらている本ですが、
というか
この作者の方、よく見たらお名前も
昔勤めていた職場が出していたとある雑誌で
よく見ていた方でしたが、
こけし研究家だったとは初めて認知
(というか、たぶんこの方が
こけしとお茶しているところを
たまたま見たことがあり、
そのときはこの方とは気が付かず、
ただこけしと二人で嬉しそうに
お茶していたシーンがインパクトありで、
イラストレーターさんかなと思っていたのが
なるほどっと解明できてスッキリ)

という具合に
インスピレーション受けまくり
北に西につながるこけし旅なりまして
私もこけし
作ってみたいなあと
ほんのりしみじみ思っている今日この頃です。