スーパームーン

皆既日食は
東京では見られなかった。

お月さん、あのあたりにいるんだけどなあ。
星空アプリを見ながら
願ってみても
ちらともお顔は出なかった。

でもあの雲の向こうに一番近い月があって
反対側に太陽がいる。
自分を真ん中に
その一直線をちょっと感じてみたら
面白かった。

雲の向こうを思うのもまた楽しい。
フィンランド でやっぱり見れなかった
オーロラを思い出した。
その日は太陽風はめちゃ強くて
雲の向こうには間違いなくオーロラがいる日で
でもしっかり雨降りで
スマホはポッケのまま
厚い雲の向こうを
暗い森の端っこの湖に向かった口から
ひとり眺めた。
すぐにこわいくなってきて
ガイドさんのいる
火のあるお家に戻ったけど。

でもあの体験は
けっこういまだに身体をよぎるよ。

ホンモノに会えなかった
悔しさのせいもあるかもだけど。

昨日はあーざんねん。。。となって
部屋に入って
やらなきゃならないことが
たくさんあったけど
どうもそんな気になれず
ふと手にした
巻上公一詩集を開けてみたら
なんだか楽しくなってきた。

巻上さんのバンド
ヒカシューの音楽は
じつはあまり知らなくて
巻上さんのライブは
梅津さんとか舞踏家とかとの
ホーミーしか知らなくって

この詩は詞なんだけれど
ちっともメロディが流れなかったから
詩として読んだら
リズムカルでどこか滑稽で
でも可愛い感じもして
楽しいなあと。

ふと外してあった帯を見たら
谷川俊太郎さんも
「読んでると愉快になる
悪戯っ子みたいに自由な」とあった。
現代詩の世界は
不自由なんだろうか?
立派な賞もとってびっくり。
吉祥寺のライブハウスには
ライブの予定表は張り出されてなくて
この詩集の広告だけが貼ってあるこの頃。
でもそれでクスッとなれるのも
きっとこの本の役割なんだろう。

今朝になって
YouTubeで見てしまったヒカシュー。
文字で見た曲を
やっぱりおもしろい顔して歌ってた。

でも最初に言葉だけ見てよかったなあ。

後半読むときは
あのお顔が浮かんでしまって
それはそれで
ますます楽しいかな。

最近は楽しいことがほんとに
ありがたい。

愉快な笑いで
すべて片付けたい。

スーパームーンって

いつの頃から言うんだろうね。
スーパーボールや
スーパー銭湯みたいで
よく考えると
昭和な響き感もあって

スーパーって

カタカナが
何だか可笑しくて
それ言って騒ぐにんげんたち
何だか

かわいいかも。