弘前へ行ったのは、もうすぐ2ヶ月前にもなってしまうのね。
不思議な時間で、ずっと前のような、ついこないだのような、
ふわふわした感覚の記憶です。まだ未消化のものばかりだけど、今年下半期には、じわじわと滲み出てくるだろなという予感はあります。
弘前に行ったのは、杉戸洋さんの久しぶりの大個展を見に。
はじめは、弘前、あまりに遠く、どうやって行けるのかも想像できなくて、無理と決めつけてたけど、あるとき、行きたいなあとぽろっとこぼしたら、聞いてた皆々がそれは行ったほうがいいよと口々に。
杉戸作品を初めて偶然見た「とんぼとのりしろ」展を思い出し、行かないと、これは一生後悔するかもとえいっと旅モード。直前の決行だったので、ほぼ1日しか滞在できなかったけど、濃い体験でした。

「えりとへり」このタイトルでは、なんのこっちゃ?って感じなとこが、杉戸ワールド。はみ出している縁(ヘり)や襟(えり)を大事にすると、滞った制作が復活できたりするが、ヘりとえりだけでもだめ。。ということからのタイトルらしいけれど、わかるようなわからないような、でも作品を見ると結びつくような楽しさ。

美術館内部にこのレンガ美術館を模したような仕切りが作られて、デザインされた壁紙が。このデザインがかつて「流行通信」のデザイナーだった服部一成さん(そしてくるりのアルバムデザインもしていたと知る)。以前のせた雑誌「真夜中」のアートデレククションもそう。最初は、ん?と思ってたコラボ空間にだんだんとハマってく。

これはキャンパスの端きれにひもをつけたもの。
ここに至りたくて、作品をつくっていると言っていて、
めっちゃ共感。
‥だったことも忘れかけていたが、多分記憶の底に無意識にあって、私も七夕飾りをペイントしてみたのかもしれない。

全く私の写真じゃ、ちっとも伝わらない感じだけど、
展示画集になってるホンマタカシさんの写真は、今見ると、いいんだよね。見てすぐは、こんなだったかな?という不思議な感じもあったのに。

2階には、縁のある奈良美智さんの作品も。
このあと、奈良さんはどういう事情か、この作品に加筆してた。ということをXでしり、ビフォーアフターが見られて、ちょっとうれしい。

そして、奈良さんが高校生のときにバイトしてたライブハウスが再現されていて、そこからの音楽が吹き抜けの下の階にも響いていたのが面白かった。もちろんゴリゴリのロック。

ここを、マスターたちと一緒につくった体験が、今の自分の根っこになってると奈良さんは書いていた。外壁を大工してる写真と共に。
つくる体験。。あーそうだなあと、同級生とか仕事とかじゃなく、いろんなバックボーンの人たちと一緒に作るってのがいいんだよねと、私もはらっぱ祭りの創成期に出会えたことが人生の大きな根っこになってると思ってみたりした。汗かいてね、泥だらけになってね。

そういえば、杉戸さんの経歴もそうだ。美大日本画出身でありながら、卒業後は木こりになり、野菜を育てたりもしていた。アメリカにレジデンスで制作する機会があり、そこからいっきに世界的アーティストに。

杉戸さんは、教えている芸大新入生へのコメントでも、面白いことを言っていた。作り上げてきたものを、壊して、また一から作るみたいなことを言い出す人がいたらいいなと。机上の理論じゃなく、肌身で体験してきたことから始めようというふうにもとれる。

美術館のカフェが、光や高い天井、なのにアットフォームな空気感が、とてもステキなところで、すいてたのもあるけど、もうずっといたい場所だった。そこで使われてた奈良さんイラストのコップが可愛かったけど、非売品らしい。

前日の夕方に着いたとき撮った弘前レンガ倉庫美術館。
前のグリーンな広場に綿毛がまるくぷかぷかしてたのは、今思えば不思議のはじまりだったかも。

すぐ近くの教会。
弘前は、洋風建築の街でもあるらしい。

すぐ近くにもうすぐ廃線になる電車の駅も。
この辺りから、違う生きものの気配が濃厚になってくる。

レトロ建築はどれもステキだった。けど、着いた日の夕方は人気がなく、びっくりするくらいお店が開いてないくて、すごいとこきちゃったかも?と焦った。でも次の日は、そんなこともなく活気も感じられたんだけど

洋風建築の見学もしたんだけど

弘前公園でとてもいい気持ちの日差しを浴びれて、
いい時間だった、震源地での地震もあったけど。

で、メイン(だった?)アーケード街を歩いてたら、派手な建築物付きの閉じたビルが現れて、どうもデパートだったよう。そうか、デパートはどこもね、と思って、ふと名前を見ると、聞いたことある字面。。え?と思ったけど、東北にいくつかあるんだろうと思っていた。というのは、父がバブル期、羽振り良く商売してたころ(バブル後は逆ベクトル半端なく、あっという間に自己破産💦)、聞いた名前だったから。父の仕事は、福島、郡山、仙台くらいがテリトリだと思ってたけど、そのデパートは弘前にしかないものだったということを、帰ってから知る。あ、そうか、なんか妙な気配はそういうことだたったんだと納得。こんな遠い街まで来てたんだなと、今さらちょっと尊敬。

最後にたずねた場内市場が、濃すぎる時間に、なんだか、癒しでした。その名も虹のマート。ここが、とてもいいとこで、弘前に行くことあったら、絶対外せないNo.1間違いなし!

こんな遠くの、いろんな意味で、濃い〜街で、杉戸さんの作品空間を浴びられたこと、その全てに意味があったのだなと思ってる。2度の地震、2度の派手な転倒と、あるまじきことが短い時間に起きたことも含めて。この続きは、名古屋→京都旅へ。そちらはまた、のちほど。